思い出したコト・・・暇だから・・・「マッチ売りの少女」・・・以前、友人に書いたモノなんだけれど・・・若干、改作・・・


 むかし、インドのアジャンタに行った時、村のバスに乗ろうとしていたボクに寄ってきた十四、五歳ぐらいの少年がボクの胸ポケットにあったボールペンを指差して「クレっ」て・・・バクシィシィ・・・その時、一本しかもっていなかったのでやらずにバスに乗ってしまった。彼はバスの外でボクの顔をジィ〜トみていた・・・ドウいう心境になったのか、ボクは彼にバスの窓越しにボールペンを差し出して彼に「プレゼント」と言ってあげた。すると彼は混雑しているバスに乗り込んできて、自分の腕にはめていた針金のブレスレットを抜いて黙ってボクの手に渡して降りていった。
 当時(70年代)のインドの貧しい大人も子供達も「お恵み下さい」と寄ってくるのだが、1ルピーを上げると大人は荷物を持たせてくれと言い、幼い子供達は目の前で歌を歌ったり宙返りを見せてくれるのだ・・・その一生懸命な子供達を観てボクの眼にはドウいうわけかジワァ〜ッと・・・そして異様な光景は観光客のドイツ人(?)がホッチキスでとめた束の低額のお札をむしりとって、子供達にばら撒いている光景・・・

 エローラの宮殿の門前にすえてあった大砲に腰掛けている間にボクは意識は朦朧となって、そのまま大砲に吸い付くように抱きついていった。僕の様子をオカシイと近づいてきた友人の「どうしたの?・・・大丈夫ッ」と声が耳に響いてき、抱き起こしてもらったガ吐き気がして腰を屈めて崩れていった・・・耳には「イィロゥフィバァ(yellow fever)」って聴こえたけれど・・・英語?・・・「黄熱病(?)」・・・確かに暑いインドの日中の日差しだったけれど、頭も身体も高熱・・・小さなホテルに連れて貰ったが意識朦朧のままベットに・・・このままインドで屍になるんだ・・・って。
 運がよかった・・・臨室にはカルカッタから家族旅行に来ていたお医者さんがいた・・・その医者が書いてくれた処方箋の薬、街の薬局で買って飲めば快復する、と・・・親切なホテルのボーイがそのクスリを買ってきてくれたのをのんだが寒さにもかかわらず高熱は上昇するばかり・・・意識は天国の花畑を彷徨いつつ・・・三途の川ガ見えてきた。運がよかった・・・その地方の巡回医師がやって来たのだ・・・注射一本で熱はさがった。快復後、長髪だった髪の毛を切って、インドの大地に埋めてきた。

 アメリカでは街をぶらつく時には小銭をズボンのポケットに常に入れといた方がイイって、アドバイスされた。「カネを出せ」って言われたら無抵抗でポケットを指差せ、って・・・
 下宿でノックされたのでドァを開けたら「DO YOU WANT TO SEE ME?(・・ユウ、ウオンナ、シィ、ミィ)」って・・・ラテン系美人が立っていた。そして「JUST one time 10$」って・・・5$札を出したら、受け取ってそのまんまどっかに行ってしまった。「シリタクない?」って、ナンだったんだか・・・

 ルーマニアで「ボロクソ(フォルクス)・ワーゲン」の中で駐車して休んでいたら中年のみすぼらしい夫婦が寄ってきて手を出すので、日本から持って行ったピカピカの五円玉をヤッタらどこかに去って行った・・・しばらくしてから古臭いデカイ柱時計を二人で抱えてきて、ボクにくれると言っているみたいだった・・・断ったけれど・・・五円玉を金貨と勘違いしたのか・・・骨董品はそのお返しみたいだった、けれど。

 トルコのイスタンブールで串刺しの肉(シシカバブ)を並んで、買おうとしたら財布を車に忘れて、困惑・・・ドウいうわけか、後ろに並んでいるトルコ人の男性がボクの分まで払ってくれた。
 なんか「コトバが通じない状況」だったけれど・・・ニホンジンが大好きだって・・・

 最近、TVでみていたらナイフを持った老人の強盗がコンビニのそばで女性に「200円よこせ」って・・・その200円を奪った老人の後を就いていくと、その200円で公衆電話をかけていたらしい・・・逮捕された老人は財布の中にはかなりの金額があった、とか・・・刑務所は収容人数を超え、不足。さらに犯罪老人達の意図的(?)な犯罪目的は収監でなんとか食事にありつけるコトらしいのだ・・・友達も出来る場所らしいから、「シャバ」なんかよりは一番天国に近い場所なんだろう。
 ・・・「マッチ売りの少女」が「マッチ売りの老婆」じゃぁネッ・・・僕の時代には新宿を舞台にした演劇で「マッチ売りの少女」が「オジサン、一本、マッチ買ってョ」てのがあった・・・暗闇でマッチ一本の灯る火で見させてくれるモノがあった、みたい。
 「オジサン、百円ライターを買ってョ」って・・・なんかモノガタリになるかな・・・今じゃ、マッチを売らなくてもオジサン連中は「福澤喩危地」を何枚もくれてやっているみたいだけれど・・・福のサワ、サトス、危険な地・・・カモ