2468日目・・・「ドック=dock=犬・・・造船所=dockyard・dock」・・・「ドック=戌=いぬ=犬・狗・獒=山犬(やまいぬ)⇔おおかみ(狼)」・・・「呉越同舟」になる時・・・身内以外の「敵」の登場・・・共同体を襲う自然災害、人的災害・・・襲ってくる相手は「同じ穴のムジナ(貉・狢)」・・・「むじな=六科・無地名・務字名・無私名・無視名・虫名・無死名・無恥那)」・・・

ーーーーー
 「臥薪嘗胆」は「明治政府の切望」
 ・・・「不平等条約の改正」・・・
 ↓↑
 越=走+戉・・・越前・越中・越後・・・エチゴ
 呉=吳(繁体字旧字体)・吴(簡体字)・𠯵(異体字
  =口+𠃑+一+八=口+L+亠+八
   ・・・広島、呉(くれ・ゴ・wú)
 ↓↑
 呉の側
 闔廬(コウリョ・夫差の父・呉王)
     ・・・考慮・興梠・恒亮・考亮=諸葛亮孔明
 夫差(フサ・呉王)
     ・・・夫(おっと)の差(さ)
 伍子胥(ゴシショ=伍員(ゴウン)・・・語詞書=語韻
 ↓↑  闔廬(コウリョ)の部下・夫差の部下)・・・考慮
     ・・・語詞書=語韻
            五蘊(色・受・想・行・識)
             蘊(ウン)=skandha(スカンダ)
                   khandha(カンダ)
                   「塊・要素・集まり」
            人間の心身を構成している
            五つの構成(形態)要素
    「色=物質的存在・外的な認識対象存在」
 ↓↑    ↓↑ 
    「受=感受作用・五感の視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚」
    「想=表象作用・精神内の想像・空想・仮想・妄想」
    「行=意志作用・行動への有無の決断、決定」
    「識=認識作用・対象の分別、分析の認識と
            その構成存在認識」
 ↓↑
 伯嚭(ハクヒ・呉の宰相・大臣)
 ↓↑・・・嚭=喜+否(不口)=異体字は「𡀆・𧯻・噽」
        喜ばず・喜ぶコトは出来ない
    嚭=おおきい・ヒ・mound・lump・stealthily
    伍子胥を讒言し冤罪で処刑させた
    後に呉国を滅ぼした
    越王、勾践に売国奴として
    処刑され晒し首にされた・・・
        江藤新平=えとうしんぺい=重訳有審並(晋併)
     ・・・葉句比(ハクヒ)・・・白衣・羽咋・・・
   「解体新書=ターヘル・アナトミア
        (耐える ・鴉名訳見蛙?)
    独逸人、クルムスの解剖学書
    オランダ語和蘭語=阿蘭陀語の訳書」
    の面々・・・玄白、良沢、淳庵・・・「千寿骨ヶ原」
        杉田玄白小浜藩藩医=はんい=犯意?
        ↓↑   小浜藩若狭国一国
             越前敦賀郡を領した
             ↓↑
        ↓↑  「上田敏」の
             父は
             上田絅二(旧名、乙骨亘・
                  岩倉使節団の一人)
             母は
             上田孝子
             祖父は儒学者
             乙骨耐軒
             伯父は
             乙骨太郎乙(洋学者)
             叔母は
             上田悌子(女子アメリカ留学生)
             ↓↑
             従兄弟の
             乙骨三郎は
        乙骨太郎乙の三男で
        ↓↑   作詞家
             東京音楽学校教授
             國學院大學講師
            「日の丸の旗・浦島太郎・池の鯉」
        ↓↑   などの唱歌を作詞
        乙骨三郎の
        母の「つき」は
       「杉田玄白」の曾孫
        ↓↑
            「上田敏」は
            「小泉八雲」の生徒で、彼に
            「英語を以て自己を表現する事のできる
             一万人中、唯一人の日本人学生」
             と評され、後、
             東京高等師範学校教授
        ↓↑   八雲の後任の東大講師
        前野良沢(翻訳)
        享保八年(1723年)
        〜
        享和三年十月十七日(1803年11月30日)
        豊前国中津藩(大分県中津市)の藩医
        後、江戸幕府幕臣
        「解体新書」の主幹翻訳者
        名は
        「熹(よみす)」で
        「余実寿・Jomis」と自著
        字は子悦・号は楽山、蘭化
 ↓↑     ↓↑
        中川淳庵
        小浜藩蘭方医
        山形藩医の
        安富寄碩(やすとみきせき)
          ・・・「奇蹟・奇跡・軌跡・輝石・鬼籍」?
        にオランダ語を学ぶ
        ↓↑
        大槻玄沢(おおつきげんたく)
          ・・・「諺詫・彦他句・現拓」?
        宝暦七年九月二十八日(1757年11月9日)
        〜
        文政十年三月三十日(1827年4月25日)
        陸奥国
        西磐井郡中里で出生
        杉田玄白から
       「解体新書」改訂を命ぜられ
        寛政二年(1790年)改訂着手
        寛政十年(1798年
       「重訂-解体新書」
        文化元年(1804年)に完了し
        文政九年(1826年)に刊行
 ↓↑     ↓↑
 伯嚭(?〜紀元前473年?)・・・なぜ、「伯嚭」の履歴なのか?
 呉の政治家
 楚の
 伯宛(ハクワン)の子
 曾祖父に
 晋の
 伯宗(ハクソウ)
 祖父に
 楚の軍師の
 伯州犂(ハクシュウ-レイorリ)・・・「白州・白秋」の
鋤犂(ジョレイ)・犂(すき)
           犂牛(リギュウ)・犂耕(リコウ)
           犂鋤(リジョ)
           犂牛の喩え(リギュウのたとえ)
           才能があれば出世可
 呉の闔閭、夫差に仕えた
 幼少の時の
 紀元前541年
 父親の伯宛が
 霊王・・・国を乱した君主の諡号
      第23代周王・第22代簡王の子
      姓、諱は「姫泄心」・・・「ヒメの漏らす心」?
 の
 王位簒奪計画で横死し
 祖父の
 伯州犂に育てられたが
 紀元前515年
 昭王の時代
 伯州犂も讒言で殺された
 既に
 呉国に存在していた
 伍子胥を頼って
 呉王の闔閭に登用され
 紀元前506年
 闔閭や伍子胥と共に
 楚を攻めて
 滅亡寸前に追い込んだ
 (柏挙の戦い)・・・柏(かしわ・十八白)を挙(あげる)
 ↓↑
 越国
 勾践(コウセン・越王)
 妻(勾践の妻)
 文種(大臣=大夫種)・・・・文の種(たね)
 范蠡(ハンレイ・勾践の部下)・・・範例・判例・凡例・反例
 ↓↑
 周の国
 敬王(ケイオウ)
 元王(ゲンオウ)
 呉越の戦いに
 周は参戦関与していない
 春秋戦国時代・・・春秋時期=魯 斉(姜斉) 晋 秦 楚 宋
               衛 鄭 陳 蔡 曹 燕 呉
          紀元前770年
          周の幽王が
          犬戎に殺され洛邑(成周)へ
          都を遷都してから
          晋が三国(韓、魏、趙)に分裂した
          紀元前403年まで、
          以降を戦国時代と分ける
          戦国時代=秦・楚・斉・燕・趙・魏・韓
 周王朝
 名目上の中国支配
 諸侯が群雄割拠
 ↓↑ 
 伍奢(ゴシャ)・・・・・・・・誤写・語写
    伍子胥(ゴシショ)・・・語詞書
    の父
    楚の人
    伍奢は
    楚王に殺され
    その子である
    伍子胥が楚を恨み
    呉に仕え
    楚を攻めた
 ↓↑
 呉王の
 闔廬(コウロ)・・・コウロ=航路・行路・高炉・香炉
 ↓↑ 「闔=とびら・とじる・すべて・コウ
 ↓↑    とびら・門
       闔扇・とじる・とざす
       開闔(カイコウ)
       闔国(コウコク)
       ↓↑
       開闔(カイゴウ)=扉の開閉・・・会合・甲斐合
       闔(とじ)る・闔(とびら)
       平安時代の朝廷の記録所
       御書所・和歌所・文殿などの職名
       書物の出納や雑務の役人
       鎌倉・室町時代
       引付・侍所などの職名
 ↓↑    訴訟事務の進行などにあたった
       廬(いおり・かりずまい・ロ)
 ↓↑      かりほ(仮庵・仮廬)
       越の武将
      「霊姑孚(レイコフ)」が放った矢によって
      「足の親指」に傷を負い、破傷風で死亡
 ↓↑
 闔廬(コウロ)は
 元々、
 楚人の
 伍員(ゴウン・伍子胥=ゴシショ)を重用し
    語韻      語詞諸(緒・書・所)
 国の政治を相談
 ↓↑
 伍員(ゴウン・伍子胥
 字(あざな)は子胥(シショ)
 楚の国の人の
 伍奢(ゴシャ)は
 楚王に殺され
 伍奢(ゴシャ)の
 子であった
 伍員(伍子胥)は
 呉に逃れ
 呉の軍隊を率いて
 楚に攻め込み
 楚の首都、
 郢(エイ)・・・楚は何処へ遷都しても「郢=口壬邑」とよんだ
 を占領
 ↓↑
 後、
 呉は越を攻撃し
 呉王、
 闔廬(コウリョ)が負傷し死亡
 闔廬
 の子(次男)・・・公子は「子山」
 伍子胥の助言と遺言もあって
 夫差(フサ)・・・姓・諱は「姫-夫差」
 が王位に就く
 ↓↑
 子胥(伍子胥)は
 夫差にも仕え
 夫差は
 父(闔廬)の仇を討つことを
 心に誓う
 夫差は
 父の仇討ちの恨みを
 忘れぬように朝晩
 薪の上に寝て・・・「臥薪」
 出入りする家臣に
 「夫差よ、
  越の連中が
  おまえの父を殺したのを
  忘れたのか」
 と毎度、叫ばせた
 ↓↑
 周の敬王、二十六年
 呉王
 夫差は
 越を
 夫椒(フショウ)で破り ・・・胡椒・山椒・・・山椒太夫
 越王
 勾践は
 敗残兵を引き連れ
 会稽山に籠り・・・「会稽、東冶(治)之東」⇔氷臺or水臺
 ↓↑       (邪靡堆=邪摩堆)    凍台or纂隋堆
      「冶(とか・ヤ)す=冫+台=氷+臺」
       台の上の氷をトカす
       冶金(ヤキン)・艶冶(エンヤ)・佳冶(カヤ)
       鍛冶(かじ・タンヤ)・陶冶(トウヤ)・遊冶(ユウヤ)
       妖冶 (ヨウヤ)・姚冶(ヨウヤ)
       ↓↑
      「治(おさめ)る=氵+台=水+臺」
       台の上を水で流し洗浄する
       進-水台=launching platform
       造船所=dockyard・dock・・・ドック=dock=犬
       政治(セイジ・セイヂ)・治水(ジスイ・ヂスイ)
 ↓↑    自治(ジチ)・治安(チアン)
 呉王
 夫差に命乞いを願い出た
 越王みずから
 呉王の臣下になり
 越王の妻を
 呉王に侍女として差し出す、と
 伍子胥
 「越王・勾践を許してはいけない
  勾践を殺すべき」と
 呉王に誡めたが
 宰相の
 伯嚭(ハクヒ)が
 越からの賄賂を受け
 夫差を説得し
 越王を許し釈放させてしまった
 越王
 勾践は国に戻り
 復讐を誓い
 苦い味の肝を嘗めれるように
 獣の肝を寝起きする場所に吊るし
 寝起きの度に
 肝を見上げて嘗め
 「おまえは
  会稽で受けた恥を・・・呉王、夫差の「馬丁」になった?
  忘れたのか」
 と言った
 王自身は軍事に専念し
 経済・司法などの国内の政治は
 大夫(大臣)の
 文種(ブンシュ)に任せ
 越王自身は
 范蠡(ハンレイ)と一緒に
 軍隊訓練、軍事攻略の作戦立案に専念
 ↓↑
 呉の宰相
 伯嚭(ハクヒ)は
 賄賂を越から受け取り
 夫差に
 伍子胥の計略が採用されず
 夫差を恨んでいると誣告(ブコク・偽告・讒言)
 夫差はそれを信じ
 伍子胥に自殺を命じ
 属鏤(ショクル)の剣を与えた
 伍子胥
 呉王を恨み
 子胥の家族に遺言とし
 「必ず、私の墓場に、檟(ひさぎ)の木を植えよ
  檟(ひさぎ)の木は
  呉王の棺桶の材料だ
  そして
  私の目を抉(えぐ)り
  都の東の門に架けよ
  越の軍隊が攻め込んで
  呉を滅ぼすのを見るために」
 と、子胥は自分の首を刎ねて死んだ
 夫差は怒り
 子胥の死体を埋葬させず取り上げ
 馬の皮で作られた袋に入れ
 長江(揚子江)に投げ込んだ
 呉の人々は
 伍子胥を哀れみ川べりに
 祠(ほこら)を立てて
 胥山(ショザン)と名付けた
 ↓↑
 「肝を嘗めた」
 越国の
 勾践は十年をかけ富国強兵、人口増大
 更に十年をかけ人民を教育、訓練(合計で二十年間)
 周の元王四年
 越(勾践)は
 呉(夫差)を攻撃
 呉は三度戦い、三度とも敗退
 肝を嘗めた
 越王
 勾践が勝利した
 ↓↑
 夫差は講和のため
 姑蘇(コソ)に上り ・・・姑(しゅうとめ=女+古)を
              蘇(よみがえ=艹+魚+禾)らす
 越に請い願ったが
 「范蠡(ハンレイ)」は講和を拒否
 夫差が
 「私は、あの世で伍子胥に会わせる顔がない」
 と、そこで、死者の顔を被う四角い布で
 顔を覆い隠し自刃
 ↓↑
 「臥薪」=呉王の夫差(フサ)・・・父「闔廬」の仇への恨み
      越に敗北し自刃
 「嘗胆」=越王の勾践(コウセン)・会稽山の敗北の恨み
      呉に勝利
 ↓↑
 「臥薪(ガシン)」
 「臥薪=硬い薪(たきぎ)の上で寝ること
     痛みで復讐心を思い出す
 「闔廬」は夫差の父
     呉の前の王
     「闔廬」の仇を討つために「臥薪」した
 ↓↑
 「嘗胆した勾践」は、
 「臥薪した夫差」を滅ぼした
ーー↓↑ーー
 越軍は四万で
 呉の都
 姑蘇城(コソジョウ)を包囲
 姑蘇城の
 守備隊は三万だったが
 伍子胥が率いる
 別働隊二万が背後にまわり
 越軍を挟み撃ち
 兵数にも優る呉軍は
 包囲していた越軍を圧倒し
 越軍は
 会稽山まで逃げ込んだ
 ↓↑
 越の
 范蠡は小勢を引きつれ
 勾践の軍と合流
 勾践は自分の愚かさを悔い
 范蠡に詫びたが
 絶望的な戦況で
 呉軍5万が
 会稽山の山麓を完全に包囲
 勾践は自決か、降伏か、決めかねていたが
 范蠡
 勾践がまだ若く
 捲土重来の機はまだあるとし
 敗北の屈辱を受け入れ
 勾践と
 越を守ろうとした
 講和交渉は
 文種(ブンショ)に任された
 ↓↑
 会稽の恥
 文種
 越王
 勾践の使者とし
 呉王
 夫差のもとに行き
 「わが君
  勾践は、妃を陛下の側女に差し出し
  みずからも陛下の臣下として仕える
  と申しております。
  何とぞ、哀れみをおかけください」
 と
 父の仇で
 日々、復讐を誓った
 越王
 勾践が自分の臣下になる・・・
 呉王
 夫差は
 勾践を許し
 臣下にすることが
 命を奪う以上の復讐・・・カモと
 呉の重臣
 伍子胥
 これに強く反対
 「陛下、亡き父君
  闔閭陛下の
  遺言をお忘れか
  先君は、
  必ず越を滅ぼし、
  父の恨みをはらせと。
  天は今、越を呉に賜ろうとしている
  天の与うるところを取らざれば
  必ずや禍を受ける
  勾践を許してはなりません
  殺すべき」
 と
 伍子胥
 先君の
 闔閭の代から呉に仕え
 夫差も一目置く名臣で
 夫差は
 伍子胥の一喝で目が覚め
 父の遺言を思い出し
 交渉は決裂した・・・
 ↓↑
 文種の報告で
 越王
 勾践は覚悟を決め
 死を覚悟し気持ち吹っ切れ
 王たる者、
 敵の臣下になり下がり
 生き恥をさらすのなら
 死である・・・
 文種は
 勾践の顔を見て
 強い口調で諫めた
 「陛下、
  殷の湯王(トウオウ)は、
  夏の桀王(ケツオウ)に幽閉され
  周の文王(ブンオウ)も
  また
  殷の紂王(チュウオウ)のために
  囚われの身となりました
  しかし、最後には、
  二人とも王となり
  天下に号令をかける
  覇者となったのです」
 勾践は黙って聞いていた・・・
 「越国は、
  陛下お一人の力でなったのではありません。
  越の代々の王と民が
  長い年月をかけて築き上げたものです。
  それを、
  陛下お一人の面目のために
  滅ぼしても良いものでしょうか。
  陛下、ここが
  王たる者の真価が問われるところです。
  恥を捨て
  越の復興に
  賭けるのです」・・・
  ・・・「日本の復興である憲法にカケるのだ」・・・?
 勾践は黙って頷(うなず・肯)いた。
 越は小国だが、
 文種や范蠡は優れた忠臣
 勾践も助言を入れた
 「会稽の恥」を雪(そそ)ぐには
       ・・・注ぐ・灌ぐ・・・夏目(名通埋)漱石
 「嘗胆」・・・
 「キモ(胆・肝)を
  ナメた(嘗・舐)」・・・
 「大嘗祭 (ダジョウサイ・おおなめサイ) 」
 「神嘗(シンショウ・かんなめ)」
 「新嘗(シンショウ・にいなめ)」
 「嘗=尚+旨」=かつて・なめる・こころみる
         ショウ・ジョウ
 「甞=尚+甘」
 「舐=舌+氏」
 「小=しょうがしら(小頭)」
 「⺌=なおがしら(尚頭)」
 ↓↑
 勾践
 越国復興のため
 面目を捨てた
 夫差には
 伍子胥がついて
 勾践の首を望んだ
 ↓↑
 文種は
 呉の重臣
 伯嚭(ハクヒ)を狙い
 伯嚭(ハクヒ)が己の欲のためなら
 国をも売る人物とみた
 文種は伯嚭(ハクヒ)に賄賂を贈り
 夫差に再び拝謁し
 再び嘆願し
 「わが君、勾践は、助命がかなわぬなら、
  妻子を殺し、
  いっさいの財宝を焼き払い、
  五千の兵とともに玉砕すると申しております。
  どうか、わが君に、
  陛下のご慈悲を」
 ↓↑
 越に買収された
 伯嚭(ハクヒ)が
 「越軍五千の兵が死を決して突撃すれば
  わが軍も危ない
  窮鼠猫を噛むと申します。
  勾践はすべてを捨てて
  王の臣下になるというのですから
  先王の恨みは晴したも同然
  せっかくの越の財宝を
  みすみす灰にすることもないでしょう」
 思わぬ展開に驚いた
 伍子胥は、語気を強めて、反対
 「いま、越を滅ぼさねば、
  必ず後悔するときがきます。
  勾践は名君で、
  文種、范蠡
  忠義の心をもった誠の名臣です
  彼らの口先を信じ、
  目先の損得に惑わされてはなりません。
  越はかならずや呉にそむくでしょう。
  越をゆるしてはなりません。
  勾践を殺し、
  越を滅ぼすのです」
 だが
 伯嚭(ハクヒ)の意見がとおり
 伍子胥の意見は退けられた
 越王
 勾践はゆるされた
 呉軍は会稽山の囲みをとき
 越軍は帰国
 勾践の決断
 范蠡と文種の知略
 そして
 伯嚭(ハクヒ)の裏切り
 越は命脈をたもった
ーーーーー
 臥薪嘗胆
 (勾践の嘗胆)
 帰国後の
 勾践は
 傍に豚の胆を置き
 食するときは
 必ずそれを嘗め
 その苦味で
 会稽の恥を思い
 復讐を誓った
ーーーーー
 呉王 夫差の「臥薪」
 越王 勾践の「嘗胆」
 「臥薪嘗胆」=「復讐のため大難苦難に耐え、
         目的を達成するまで苦労に耐える
 「呉越同舟」=「仲の悪い者同士や敵味方が、
         同じ場所や境遇にいること
         仲の悪い者同士でも
         同じ災難や利害が一致すれば
         協力し、助け合う
         共通の利害のために協力し
         行動を共にすること」
        「SN南北統一・国共統一」
        「連合軍・同盟軍(枢軸軍)」
 ↓↑
 呉王
 夫差は、亡き父、闔閭(コウリョ)の復讐を果した
 越が呉の属国となり
 越王(勾践)も
 夫差の臣下となった
 夫差は「女色と贅沢」
 ↓↑
 夫差は宮殿を造営し
 その情報を得た
 越は
 越の亀山(キザン)の良木
 黒檀(コクタン)二百本を切り出し
 呉に送った
 呉には良材が乏しく
 この貢ぎ物に
 夫差は喜び
 宮殿は、高級黒檀二百本にみ合う
 宮殿造営の予算を大幅に増額させ
 呉の国庫は目減りした
 豪奢な五層の大宮殿が完成
 姑蘇台(コソダイ)と命名
ーーーーー
 傾国の美女
 「西施」
 越の
 范蠡
 美女五十人を
 呉に送り込み
 夫差を美女の色香で惑わせ
 国事から反らす策謀をとった
 その中の一人
 西施(セイシ)は「絶世の美女」で
 夫差は西施に溺(おぼれ)
 西施=傾国
 夫差の寵姫となった後
 病んで故郷の村に帰った
 西施が
 痛む胸を手でおさえ
 苦しみに眉を顰(ひそ)めて歩く姿にも
 色香がある噂し、醜女も西施の真似し
 胸をおさえ、眉を顰めて村を歩い・・・
 ↓↑ 
 夫差は
 西施のために
 八景を築き
 その中でともに遊び
 夢幻悦楽を耽溺
 政治も軍事も忘れ
 「傾国」させていった
 ↓↑
 「妹喜(バッキ)は
  夏王朝
  桀王を溺れさせ、国を傾けて殷に滅ぼされ
  殷(商)の
  紂王は
  妲己(ダッキ)に溺れ
  周に滅ぼされた
ーーーーー
 斉の
 景公が死に
 内紛が起こり
 夫差は
 斉の内紛に乗じて
 斉を滅ぼそうとしたが
 伍子胥に反対された
 「斉はただの皮膚病ですが、
  越は身中の病
  今は越にそなえる時
  もし呉が斉を攻めれば
  そのすきに
  越は呉を攻めてくるでしょう
  斉を攻めてはなりません」
 ↓↑
 夫差は
 越が良材や美女を献上し
 ひたすら媚びへつらう様を見
 呉に歯向かうとは思えなかった
 夫差は
 伍子胥の助言を退け
 斉に攻め込み
 勝利
 夫差は凱旋し
 「余が斉を攻めている間、
  越は攻めてこなかったが
  そちの予言はどうなったのだ」
 伍子胥
 「ただ運が良かったのです
  越が呉に復讐するため
  準備を進めていることに
  変わりはありません
  越は、やがて必ず呉に背きます
  何はさておき、
  今は越にそなえるべきです」
 夫差は
 伍子胥の物言いが腹立たしかった
 闔閭の先代からの重臣であり
 一目は置いていたが
 夫差は伍子胥を遠ざけるようになった
 夫差のキゲントリの佞臣
 伯嚭(ハクヒ)は
 お気に入りになった
 ↓↑
 越王
 勾践の重臣の情報分析
 斉は北方の強国
 斉が世継ぎ問題
 隣国
 魯(ロ)
 衛(エイ)
 を巻き込む
 呉王
 夫差は
 斉に派兵するなら
 越は呉に攻め入る時・・・
 だが
 越王
 勾践は復讐を焦り
 呉を討とうとした
 重臣
 逢同(ホウドウ)
 「陛下
  猛獣が獲物を捕るときは
  じっと姿を隠し
  一気に仕留めるものです
  越に対してもそのようにすべきで
  行動を起こす前に
  こちらの意図を感づかれてはなりません」
 と
 勾践は逢同に従った
 「会稽の恥」から
 九年後
 文種は勾践に進言
 「陛下、最近
  呉の警戒心が緩んでいるようなので
  食糧を貸してほしいと
  頼んでみたらどうでしょう。
  もし貸してくれたら
  呉が越を警戒していないことになり、
  今が攻め時かもしれません」
 勾践は
 呉に使者をつかわして
 夫差に食糧を貸してくれるよう懇願
 使者は卑屈に哀れみを乞うふりをしたが
 それを見抜いた
 伍子胥
 夫差に計略に乗らないよう強く諫めたが
 無視され
 伍子胥は、夫差にいらだち
 夫差は伍子胥に不信をつのらせた
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 ・・・恨み辛み・・・怨恨・・・