372日目・・・「むらさき川心中」・・・この物語は結構面白かったけれど「生きていることは辛いけれど、たのしい」って・・・「むらさき川」って江戸時代、「尾張名古屋」の「大須遊廓」北側にあった「川」の名前・・・ナゴヤの「花魁(おいらん)」は「名古屋弁」で客相手していたのかニャァ〜

さなぎ


 「ドン百姓しているよりもココが極楽だがニャァ」
 「・・・ゴクラク
 「そうでニャンす。おかぁ、おとぅ、弟、妹よりもタンと白いご飯をチョウダイできますから。それにココからはお城の金の鯱がキラキラと輝いていつでもみれるしなぁ。オトコのように凛々しくキンキラ金」
 「・・・まったく贅沢、たわけた城じゃな。尾張様は何を思って・・・どうして金シャチなんかを?」
 「それはクジラがシオを吹き上げるのと一緒だがや」
 「クジラのシオ吹き・・・」
 「ああ、そうじゃ。お城が火事になった時にシオ水を吹いて消してくれるニャン」
 「なるほど、火事除けのマジナイと言うわけだ。ソウいえば、どっかの寺の屋根に載せられたシャチを見たことがあったが・・・」
 「それにお城の天守閣の金の鯱はメオト・・・北はオスで、南はメス。夫婦円満の」
 「なるほど・・・それにしても金のシャチとは贅沢。金のウロコ一枚、欲しいもんじゃ」
 「金のウロコ・・・オスはイクヨ菩薩の一九四枚、メスはフミロク観音の二三六枚・・・カネが仇の世の中でも、金鯱が救いの尾張の世の中だがやッ」
 「なるほど。だが金シャチがどうしてオワリを救ゥンジャ?」
 「金のウロコを剥しては小判にして貧乏なサムライを救っているん」
 「フゥ〜ンッ、面白い。貯金箱ならぬ、貯金の鯱のウロコか」
 「この世の中で、百姓ばかりか、オサムライさんも救われていないみたい」
 「・・・」
 「百姓の柿の木島の金助は大ダコであの天守閣の金の鯱のウロコを三枚も盗んだけれど・・・捕まったって」
 「ふゥ〜んッ」・・・柿の木の島の金助・・・タワケタことを」
 「百姓はバカだけれど、ヤル時はヤルから・・・見栄えだけじゃな、今のオサムライさんは」
 「たしかに。サムライとは・・・ソウ言うモノだ」
 「でも、サムライのオトコは大好きだで」
 「サムライのオトコ?」
 「賢いし、強いし、気前がいいし、気持がイイ」
 「気持がイイ・・・淫乱なヤツ・・・」
 「でも、楽しいョ、おサムライさんと寝るのはッ」
 「・・・」