489日目・・・昨日は「あめ・アメ・雨」にフラレタ・・・彼女を「泣かした」・・・15時55分の電車に乗れなかった・・・一時間以上もバスを待ったけれど目的地行きへのバスが来なかった・・・事故でもあったのかも・・・

 バス停で烈しさを少しばかし忘れた雨・・・ボクはショボショボと落ちてくる雨の雫を仰ぎ、そしてアスファルトに落ちてくる雨粒を見ていた。路面に弾き返されては幾重にも小さな円模様の輪を描いていく。バスが来ない。タバコを六本、七本も煙にした。いまにキット「猫バス」が来て、乗せてくれるのに違いない、と思いつつ・・・でも来なかった。
 田舎なの・・・トトロ・・・「猫バス」はイイカゲンな大人の願いを叶えてくれなかった。当然だョ、ナッ・・・眼に涙を浮かべて「行かないで」と懇願するようにボクの手を握っていた彼女。その手をほどいて、モウ時間が来たからって・・・彼女の涙がキット天を呪ったんだ・・・3月には130歳だったのに、今度は250歳になっていた、ズルイ人間は嫌いだ。みんな自分のコトしか考えない、って・・・食事時間・・・テーブルの前に座るジィジィが彼女のオカズを勝手に盗んで食べるらしい。ボクも彼女の人生の殆どを盗んでしまった・・・それに昨日は郵便受けに彼女の「後期高齢者健康保険」の「納付書」がきていた・・・去年の今頃だったら、キット、電話口で怒っていただろうな・・・彼女、モウ、イカリもないみたい・・・あんなに「新聞投稿」が好きだったのに・・・短歌はもちろん、文字を読むことにも興味がなくなったらしい。
 恋人・・・彼女、若い男の看護士さんがお気に入りらしい。彼と視線が合う時に満面の笑みを浮かべていた。
 15時、デザートタイム・・・ミカンが混ざったヨーグルト・・・食べたくないといって口にしない。ボクが代わりにスプーンにチョット乗せて味見したけれど・・・ナルホド・・・エイヨウとカロリーは計算してあるのに違いない。
 デッカイ画面のTVには40億円だかの豪邸に住んでいるらしい歌手の家を紹介していた・・・彼女、ポツンと、家なんかイラナイ、って・・・
 彼女を車椅子に乗せ、ハマナスの部屋に戻り、一大決心し、奮発力を出して、彼女の痩せこけた身体を車椅子からベットに移して寝かせた。意外とオモイ・・・イタイ、イタイ、って・・・看護士さん達は本当にプロだ・・・ボクの腰にも少しダメージ、ィタィ、ィタィ・・・
 秘密・・・デザートのかわりにイチゴ入りチョコレートを彼女の口に運んでヤッタ・・・美味しいらしい・・・三個は食べすぎだったかも・・・コンソメ味のポテトチップを口に運んでやった。美味しいらしい・・・三枚は塩分が多すぎだったかも・・・
 アメ・・・17時25分の電車に乗るコトにした・・・窓が曇って外の景色が見えない・・・寒し・・・

 名古屋のジワ〜ッとくる暑さ・・・アツイ・・・