186日目・・・続「日本人と戦争・ロベール・ギャラン著(1979年6月28日・朝日新聞社発行)」・・・395ページ「日本人の微笑」に関して・・・

 以下、ボクが勝手に要約、抜粋したモノ
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 1)我々、「日本人」は「微笑する」・・・なぜなら、「忘却し、矛盾し、そして運命を信じる力を持っているから」・・・「仕方が無い?つまり、それ(微笑)が我々のアキラメを表す表現なのだ」
 2)我々の「思想領域」は・・・「浅薄」、「操られた情熱」だった。
 3)我々は「礼節の民」である・・・「米国に対する憎悪」は「軍紀による命令」だった。「一時的な軽率な憎悪」であり、「本当の憎悪を育むことが出来なかった」。敵国、敵の国民を「憎む理由が無かった」のだ。
 4)我々の「思想、愛情」・・・「変わりやすい多彩な季節に彩色られる」のと同じモノだった。
 5)我々の「微笑」・・・「恐るべき柔軟さの証」、「我々は主人を持ち、主人の移り気に譲歩し、それを喝采する習慣にすっかり慣れている」、そして「微笑みながら」も「畳みに額をすりつけ、塵埃に鼻を突っ込むのが(生きるために)便利」だったのだ。
 6)我々の「信じていないこと」・・・「罪があること」・・・「神(キリスト教)の掟の未だ無い所には罪も無い」、「我々は肉体の罪を知らない」・・・「原罪」などと「自覚」があろうハズが無いのである。似て非なるモノはある、「因果応報」と言う。
 7)我々は「苦悩するがゆえに微笑する」のだ・・・「負傷、挫折にも微笑する」、「困っている時、勝負に敗れた時、面子を失った時も微笑し、時には騒々しい笑い声もたてる」・・・「運命に対する礼儀の表し方」として、「悪運、苦痛は主人であり、我々は主人の慰みに従順でなければならない」からだ。そして「微笑は我々の復讐でもある」、「微笑は主人の面子を失わせるから」・・・「微笑」とは「嘲笑い」でもあるからだ。
 8)我々の「微笑」・・・「満足する時、満足を示す時にも微笑する」
 9)我々の「敗戦の微笑」・・・敵国を侵入者としてではなく「解放者」として歓迎する・・・「自由は我々の軽率さにふさわしく、この自由を得るために敗戦せねばならなかったなどとは深く考えないように努力」しているのだ。
 10)一人の日本人は一個の人格ではなく、一つの「可能性」なのである」・・・「様々な状況のみが日本人の内面に共存する暴力と優しさの間で決定を下す」・・・「野獣であり優獣」としての「自然な人間を、注意深くひとり一人の市民の中に守ってきた」のだ・・・時には「戦線で野獣」、そして「内地で羊」として・・・「羊」は「虎や狼」に自分自身が「変身、変心」する事を知ってはいない・・・
 11)我々の「善意」とは・・・「不幸の根源」だった、「善意は悪のタメにも善のタメにも行使される」から、「我々のボスたちは我々の国民の内にもっとも従順でもっとも扱いやすい人間の群れを見出した」のだ。そして「大いに義に富んだものをボスに捧げた」のである。
 12)我々の「微笑」・・・日本が度重なる破局を経験し、乗り越えてきたから「微笑するのだ」・・・ダレもが奪うことが出来ない日本人のモノがある。第一は「生きる欲望としての人間の数」、第二は「勤勉な労働」、第三は「神国としての太古からの土地」である。
 13)我々の「微笑」・・・「変化を通じて自己流の流儀で追求するものは持続である」・・・「だが、我々国民生活の原則は不動性である」・・・「不動の二千年の歴史」である。
 14)見かけ上の「変貌ではなく持続するモノ」・・・「我々はそれがなんであるか、よくわからないが、それが存在する事を知っている」・・・それが「日本と呼ばれるモノ」なのだ・・・
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 ・・・「おフランス人」にはこの「微笑」がないらしい?・・・ローマの時代から侵略、被侵略のヨーロッパ・・・この類の「微笑はあった」ハズだ・・・そして「禁じられた」のカモ・・・
薔薇の名前」は如実に笑いの秘密を隠蔽」し、その「禁忌の秘密」を暴こうとしたモノだった・・・「現代小説(?・時代小説)」だったが・・・そして、「微笑みが無い」なんてコト、「西洋人一般」にも・・・そんなコトは無いだろうッ・・・「侵略されなかった日本列島の人々」は既に「大陸・半島から侵略されていた経験」を終えていた、のだ・・・「神武天皇」が「源日本人(九州)の王朝」等では無い・・・大陸、半島から「侵略」して来たのさ・・・「怨み、憎しみは時間によって緩和」されちまったんだろうッ・・・「支配されるコトに慣れちまった」のさ・・・
 人種、地域社会にかかわらず、あらゆる諸国家の支配し、支配される諸関係に於いて、「被支配階級の人々」には「微笑」は不可欠である。支配者同士の取引に於いても・・・「おフランス」に於いても「シーザー・カエサル」に、そして「ローマ法皇」には「微笑」シタダロウ、さッ。