124日目・・・「人間」ってナンだろう・・・ボクは未だみていないが、以下は友人(Oさん)の「HP」の映画鑑賞後の文面です・・・

「昨日、シネマスコーレで”太陽”を観てきました。

最近の注目作品で、名古屋ではスコーレ1館のみでそれも朝、夕1回づつの上映しかありません。それとその日は映画の日でもありとても直前には入れそうもないとおもい、一度昼ごろに整理券を買ってから出直しました。当然超満席です。

映画は終戦前後の昭和天皇のようすを描いたものです。

ロシア人監督”アレクサンドル・ソクーロフ”の描く天皇は及第点を上げることができるでしょう。いままでの外国人監督の日本感のずれには辟易してましたがこの監督は日本人をよく研究していると思われます。

天皇役の”イッセー尾形”は昨年夏に観た”ヒトラー”のブルーノ・ガンツと比較しての遜色はありません。表情のつくり、せりふ回しはさすがです。

外国では天皇は”エンペラー”としか訳せないのでしょうか・・・・」


 ロシア人が監督した映画・・・どんな「天皇」なのだろう?・・・「昭和天皇」のお言葉と、その立場を現在の「政治」や、過去の「歴史」に関心を有するヒトは以下の「人間宣言」と言われているモノをヨクヨク考えて見るベキだな・・・「昭和天皇」は決して自ら「カミ」と自己の立場を主張した「お人」ではなかった・・・「明治憲法厳守(立憲君主)」の「議会(立法)」を尊重する近代的合理主義的な信条の「お人」であった・・・だが、当時の「国民」は、「ジャーナリスト」と「高級官僚・高級軍人」に煽られて「カミ」として自らの「天皇幻想=現人神(あらひとがみ)」を抱いたのだ・・・現在的な「日本的政治状況」は「政治屋」の「改革幻想」を振りまかれ、踊らされてはいないか・・・「現存憲法を否定」する・・・?
 以下は敗戦翌年の「昭和天皇のお言葉」だが・・・


 新日本建設に関する詔書 1946(昭和21)年1月1日

 茲ニ新年ヲ迎フ。顧ミレバ明治天皇明治ノ初國是トシテ五箇条ノ御誓文ヲ下シ給ヘリ。
 曰ク、

1.廣ク會議ヲ興シ萬機公論ニ決スヘシ

1.上下心ヲ一ニシテ盛ニ經綸ヲ行フヘシ

1.官武一途庶民ニ至ル迄各其志ヲ遂ケ人心ヲシテ倦マサラシメン事ヲ要ス

1.舊來ノ陋習ヲ破リ天地ノ公道ニ基クヘシ

1.知識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スヘシ

 叡旨公明正大、又何ヲカ加ヘン。朕ハ茲ニ誓ヲ新ニシテ國運ヲ開カント欲ス。須ラク此ノ御趣旨ニ則リ、舊來ノ陋習ヲ去リ、民意ヲ暢達シ、官民擧ゲテ平和主義ニ徹シ、教養豐カニ文化ヲ築キ、以テ民生ノ向上ヲ圖リ、新日本ヲ建設スベシ。

 大小都市ノ蒙リタル戰禍、罹災者ノ難苦、産業ノ停頓、食糧ノ不足、失業者増加ノ趨勢等ハ眞ニ心ヲ痛マシムルモノナリ。然リト雖モ、我國民ガ現在ノ試煉ニ直面シ、旦徹頭徹尾文明ヲ平和ニ求ムルノ決意固ク、克ク其ノ結束ヲ全ウセバ、獨リ我國ノミナラズ全人類ノ爲ニ輝カシキ前途ノ展開セラルルコトヲ疑ハズ。

 夫レ家ヲ愛スル心ト國ヲ愛スル心トハ我國ニ於テ特ニ熱烈ナルヲ見ル。今ヤ實ニ此ノ心ヲ擴充シ、人類愛ガ完成ニ向ヒ、献身的努力ヲ致スベキノ秋ナリ。

 惟フニ長キニ亘レル戰爭ノ敗北ニ終リタル結果、我國民ハ動モスレバ焦躁ニ流レ、失意ノ淵ニ沈淪セントスルノ傾キアリ。詭激ノ風漸ヲ長ジテ道義ノ念頗ル衰ヘ、爲ニ思想混亂ノ兆アルハ洵ニ深憂ニ堪ヘズ。

 

 然レドモ朕ハ爾等國民ト共ニ在リ、當ニ利害ヲ同ジクシ休戚ヲ分タント欲ス。朕ト爾等國民トノ間ノ紐帯ハ、終止相互ノ信頼ト敬愛ニ依リテ結バレ、單ナル神話ト傳説トニ依リテ生ゼルモノニ非ズ。天皇ヲ以テ現御神(アキツミカミ)トシ旦日本國民ヲ以テ他ノ民族ニ優越セル民族ニシテ、延テ世界ヲ支配スベキ運命ヲ有ストノ架空ナル觀念ニ基クモノニ非ズ。

 同文↓
しかれども、朕は爾(なんじ)等国民とともにあり、常に利害を同じうし、休戚(きゅうせき)を分たんと欲す。朕と爾等国民との間の紐帯(ちゅうたい)は、終始相互の信頼と敬愛とによりて結ばれ、たんなる神話と伝説とによりて生ぜるものにあらず。天皇をもって現御神(あきつみがみ)(現人神=あらひとがみ)とし、かつ日本国民をもって他の民族に優越せる民族にして、延(ひ)いて世界を支配すべき運命を有すとの、架空なる観念に基づくものにもあらず。

 朕ノ政府ハ國民ノ試煉ト苦難トヲ緩和センガ爲、アラユル施策ト經營トニ萬全ノ方途ヲ講ズベシ。同時ニ朕ハ我國民ガ時難ニ蹶起シ、當面ノ困苦克服ノ爲ニ、又産業及文運振興ノ爲ニ勇徃センコトヲ希念ス。我國民ガ其ノ公民生活ニ於テ團結シ、相倚リ相扶ケ、寛容相許スノ気風ヲ作興スルニ於テハ能ク我至高ノ傳統ニ恥ヂザル眞價ヲ發揮スルニ至ラン。斯ノ如キハ實ニ我國民ガ人類ノ福祉ト向上トノ爲、絶大ナル貢獻ヲ爲ス所以ナルヲ疑ハザルナリ。

 一年ノ計ハ年頭ニ在リ。朕ハ朕ノ信頼スル國民ガ朕ト其ノ心ヲ一ニシテ自ラ奮ヒ自ラ勵マシ、以テ此ノ大業ヲ成就センコトヲ庶幾フ。 

 御名御璽(昭和天皇

  昭和二十一(1946年)年一月一日